子どもはみんな学びたい!?

子どもは本来、「学びたい」という気持ちを誰もが本能的に持っています。

「本能」とは、生物が生まれながらに持っている無条件反射で、脳科学では本性(ほんせい)といいます。

生物が自分自身の生命を維持しようとするのが「個体生命維持本性」で、恒常性・攻撃性・適応性の3つに分けられます。

a.恒常性(ホメオスタシス) 

自らの個体を常に一定の状態に保っておこうとする本性。

例:寒いと毛穴が収縮したり震えたりして、また暑いと毛穴が膨張し発汗して、一定の体温を保とうとする。

 

b.対敵性(攻撃、逃避)

生命をおびやかす外界の敵から身を守ろうとする本性。

「敵に向かっていく能力(攻撃)」と「危険を感じて逃げる能力(逃避)」がある。

c.適応性(模倣反射、探求反射)

模倣反射は「マネしたい」、探求反射は「知りたい」という欲求。

動物は、この模倣反射と探求反射という無条件反射から、環境に適応するための条件反射を獲得していきます。

例:ライオンの母親は子どもの模倣反射を利用して、シマウマを獲ることを教えます。

人間の赤ちゃんがやがて二本足で立ち上がり、言葉を覚えるのも、「マネしたい」という模倣反射のなせる業。

そのため、赤ちゃんの近くに立って歩いているモデルがいなければ、模倣する対象がないため赤ちゃんもまた立ち上がることはありません。(オオカミに育てられた子どもの例)

そして赤ちゃんが何でもさわったり、口に入れたりするのも、また少し大きくなると「なぜ?」「どうして?」を連発するのは、すべて探求反射の現れ。

どんな動物も、本性が満たされると「快」い状態になり、逆に満たされなければ「不快」です。

つまり、子どもの「知りたい」「学びたい」という欲求を満たしてあげるのは、子どもにとって本性が満たされる「快」の状態。

脳がもっとも発達する乳幼児期に、子どもの旺盛な「模倣反射」「探求反射」を満たしてあげられるような刺激と環境を与えてあげることが、幼児教育の目的です。